『こども本の森』神戸三宮・東遊園地「そこは本がもっと好きなる場所」

こそだて

神戸三宮の東遊園地に2022年3月25日にオープンした「こどものための図書館『こども本の森』」に行ってきました。

現在は予約制となっていますが、キャンセルがあるようで時々、特に平日に「空き」が出ています。筆者は平日働いているので「平日は無理だな。。。」と思っていました。

そんなところ「おっ!土曜日空いてる」と午後からの時間帯、2名だけ空いていたので、すかさず予約を入れて、そして楽しみに行ってきました。

世界的な建築家・安藤忠雄さんが設計を手掛け、寄贈したこどものための図書館。そして、毎年「阪神淡路大震災1.17のつどい」が行われる東遊園地に建てられたということもあって、計画の段階からとても気になっていた図書館です。

森ことり
森ことり

そんな訳で、今回は絵本好き森ことりが『こども本の森・神戸』についてまとめます。

アクセス

「こども本の森」は東遊園地の一角にあります。東遊園地へはJR・阪急・地下鉄三宮駅から10~15分ほど南に行ったところにあります。近くには神戸市役所が目印となっています。

とらきち
とらきち

「遊園地」という名前は「公園」という意味で、日本語で使われている「遊園地」とは違うみたい。

ちなみに「東」は居留地の東側にあるからだって。

東遊園地といえば、クリスマス時期には有名な「ルミナリエ」の会場でも。

「神戸ルミナリエ」は、阪神・淡路大震災犠牲者への鎮魂の意を込めると共に、都市の復興・再生への夢と希望を託して、大震災の起こった平成7年の 12 月に初めて開催しました。以来、震災の記憶を後世に語り継ぐとともに神戸の希望を象徴する行事として多くの皆様に支えられ開催してきました。

神戸ルミナリエ公式サイトより

2021年は新型コロナウイルスの流行に伴い中止となりましたが、今年は開催されることを願います!

エントランス

縦に長く、そして緩やかなカーブのある造り、入口もそんなに大きくありません。左手にある受付けで、スマホの予約画面を確認してもらい、右手には物販コーナーがあります。

受付では「5段目より上の本棚の本は固定されていて、取ることができません。同じものが下段にあります。」と言った説明を受けました。

物販コーナーには神戸にゆかりのある絵本作家さんの「こども本の森 神戸」をイメージしたオリジナルイラストポストカード(100円)や、トートバック(500円)、クリアファイル(300円)などが販売されていました。

特に気になったのが、六甲山の間伐材を使ったエンピツ(1100円) もったいなくて使えなさそうですが。

壁一面の絵本

奥に進んでいくと本がずらりと壁一面に並んでいます。まさしくそこは「本の森」です。そして、やはりここ「本の森」の特徴は表紙が見えるように並べられていることだと思います。

そこには「文字が読める、読めないに関わらず、すべてのこどもたちが本の顔である表紙、絵を見て「あの本読んでみたい!」と興味をもち、新たな本との出会いを創る工夫の一つだそうです。

森ことり
森ことり

展示本は免震対策がされており、上段の本には下段に同じものが用意されています。

安藤忠雄さんの言葉

さらに奥へと進んでいくと、大きな「りんご」に出会います。こちらは「こども本の森」を手がけた安藤忠雄さんが「青春のシンボル」としてデザインされた「青りんご」だそう。

米国の詩人サミュエル・ウルマンの詩「青春」がモチーフとなっています。

サミュエル・ウルマンは「青春」の詩の中で、青春とは人生のある期間ではない、心のありようなのだ、と謳いました。

失敗を恐れることなく困難な現実に立ち向かう挑戦心。どんな逆境にあろうとも、夢をあきらめない心の逞しさ。身体・知性がいかに都市を重ね、成熟しようとも、この内なる若さを失わなければ、人は老いることなく生きられるというのです。

いつまでも輝きを失わない、永遠の青春へー

目指すは甘く実った赤リンゴではなく、未熟で酸っぱくとも明日への希望へ満ち溢れた青りんごの精神です。

安藤忠雄さんの言葉

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また、安藤忠雄さんは「こどものための図書館を神戸」に題し、コメントを寄せています。

私は子どもの頃、ろくに本を読むことができませんでした。大人になって、読書の楽しさや、大切さに気が付き、それから多くの本を読んできました。本は心の栄養となり、人生を豊かにしてくれました。それだけに、もっと幼い頃から、絵本や文学に触れることが出来ていればと後悔もしました。

これからの社会を支えていく子どもたちには、出来るだけ多くの本と出会い、豊かな感性を育んで貰いたいと思います。スマートフォンに触る時間を半分にして、本を読み、考え、そして悩むことで、人生を生きぬく力を身につけて欲しい。そこで、1995年の震災で壊滅的な被害を受けながらも、人々の頑張りによって復興を成し遂げ、美しい街並を取り戻した神戸のまちに、自由に活字文化に触れることのできる、子どもの為の図書館をつくってはどうかと考えました。

あの災害の記憶を風化させず、次代の子どもたちに伝えていくためにも、新しい図書館を役立てて頂ければと思います。古くから文化の集積地として歴史を刻んできた港町神戸。

その土壌の上で、次代を担う、豊かな感性と判断力を持った子どもたちが一人でも多く育ってほしいと願います。

「子ども本の森」HPより

15のテーマに分類

こども本の森では15のテーマに分類されています。

1階・入口入ってすぐには「しぜんの森」次に「いきものの森」「かんがえるの森」。ゆるやかなスロープを下りていくと、」その奥には「いのちの森」お隣には「こうべの森」があります。

スロープの裏側には「あかちゃんの森」も。

ここはカーペットが敷かれた階段があって、親子でゆっくりと絵本が楽しめるスペースになっているよ。

2階へ上がっていくと「よのなかの森」や「うみのむこうの森」など、本を開くたびにドンドンと世界が広がっていきそうな本がいっぱいです。

こちらの階段に座って本を読むこともできるよ。

撮影に関しては2階の階段付近ではNGだそうです。

2階には授乳室やおむつ替えシートもあります。

さらに奥にいくと「こそだての森」も。

チャーチチェアのある小部屋

1階の「いのちの森」と「こうべの森」の間にある休憩所も素敵な空間です。

トップライトから降り注ぐ光がまるで教会のような荘厳さを醸し出していることから、「チャーチチェア」がふさわしいと、こちらに設置されたそうです。

チャーチチェアとは、イスの背面に本(聖書)が収納できるボックスが付属した教会にあるイス。

こども本の森では聖書でなく、静かな空間でこどもたちに読んでもらいたい本を週替わりで置いているそうです。どんな本が収納されているかは来館時のお楽しみですね。

持ち出し可能

本は貸し出しは行っていませんが、館外のウッドデッキや東遊園地内への持ち出しが可能です。天気がいい日には外で読書もおすすめです。

こども本の森概要

こども本の森 神戸
住所:兵庫県神戸市中央区加納町6-1-1
最寄駅:JR『三ノ宮駅』/阪神・阪急『神戸三宮駅』/神戸市営地下鉄西神・山手線『三宮駅』海岸線『三宮花時計前駅』
電話番号:078-325-1125
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は開館・翌平日が休館)

しばらくは「こども本の森」のHPより予約し、当選した方のみの利用となっています。抽選終了後に枠に空きが出た場合にもHPより予約ができますので、時々チェックしてみるのもおすすめです。

こども本の森 神戸
「こども本の森 神戸」は対象年齢にしばられず 自由に本とふれあえる、こどものための文化施設です。

思ったよりコンパクトな印象を受けましたが、また大人の目線と子どもの目線では感じることが違うのかもしれませんね。

そして、「本の虫」という言葉がありますが、「こども本の森」では「森の住人」になれるのかもしれません。本に囲まれながら、本の世界に溶け込んでいく。。。贅沢でそしてかけがえのない時間。

みなさんも「こども本の森」で素敵な親子の時間をお過ごしください。

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